モーターパラの豆知識
2020/09/10
モーターパラグライダーについて
どこのメーカーもプロペラの直径が70センチの高回転ユニットで、騒音をたてて飛行していた時代が終わり、最近は、プロペラの直径が1メートルを超える物かたくさん出てきました。プロペラの回転数も半分以下になった事で、飛行中のエンジンユニットから発生する騒音はある程度静かになってきました。
モーターパラの最初の頃は、1㎞先で飛んでいても、とても耳障りな騒音を発していたのです。
反面、プロペラの直径が1メートルを超えて出てきた事でプロペラの回転数を半分以下にするためのリダクション構造が必要になり、ユニットが少し重くなりました。
他には、反トルクも大きくなって離陸の時に右を向いてしまったり、推力が大きいユニットで上昇するのでジャイロインプレッションが働き、パラグライダーの飛行する向きと、パイロットの向きが少しずれてしまいます。
航空事故も含めてですが、無知によるちょっとした事故は意外と有るのです。
この資料を読んでモーターパラグライダーの知識に役立てて下さい。
2020/09/10
プロペラについて
プロペラの取り付けボルトは、振動によってもっともゆるみやすい所の一つです。木製のプロペラは、有る程度の柔らかさがあり、次第に取り付けボルトがゆるんできます。
ユニット各部のフライト前の始業点検も含めて、必ず点検しましょう。
現実には、飛行中にユニットの破損がまれに起きたりしていますが、現実にはプロペラが先にはずれた事でユニットが壊れた物もあるように感じます。
離着陸の失敗で、わずかに破損したプロペラもそのまま使用するとバランスがとれていないために振動します。
ユニットによっては、振動でプロペラの取り付けボルトが緩んでしまう物もありますし、振動が大きくなった事で、フレーム溶接部分に無理が掛かったりもします。
振動でボルトがゆるむのを防止する方法として、ボルトどうしやナットを全て針金で編んで結び、ゆるみ止めをするセーフティーワイヤー(安全線)処理をする方法も有効です。
プロペラは、その直径とねじれ(ダイヤとピッチ)でその設計が行われていますが、自分で作成してもなかなかメーカーの推力値を出す事が出来ません、僕はとくにリーディングエッジの微妙な面取りで大きな違いを体験しています。
各メーカーの企業秘密の中で大きな推力を出しているように思います。
尚、ユニットメーカーの警告として、純正プロペラ以外の使用は認めていません。プロペラの微妙な違いで焼き付いたり、プロペラシャフトが折れてしまったりしていますので、どのメーカーも、「他社製のぷろぺらを付けた時点で保証はなくなります」と、言ってきています。
破損したプロペラの修理は危険です。ベンチテストや飛行中に破壊する事がよく有るからです。実際にベンチテスト中に修理したプロペラが破損して、近くにいた人の方へ勢いよく飛んでいったのを見ました。
ユニットを壊さないためにもプロペラを自分で直すことはお勧めできません。
自作や修理のプロペラバランスは、バランサーで計る事が出来る静バランスと、回転させて計るダイナミックバランスがあります。プロペラの左右のバランスが合っていても、先端側の方が重かったり軽かったりする事と、プロペラ先端のわずかなピッチのくるいが、実際に回転させたときにバランスが悪く振動するのです。
3枚プロペラのようにそれぞれ分かれる物で有れば、プロペラ一枚の重さの他に、プロペラの根本を支持して、先端部の重さを新たに計る事でダインミックバランスを確認する事が出来ます。
エンジンを回している時にはプロペラの回転方向に人がいると、とても危険です。スロットルを握っているパイロットも周りにいる人も、くれぐれも気を付けてください。
一般航空機のプロペラはゼロ戦の時代から可変ピッチ(プロペラのねじれ角度を可変できるシステム)で運用されています。離陸や着陸、上昇中はピッチを浅く(クライムポジション)して最大推力を発生させています。機体の性能によりますが、水平飛行に入ると推力は飛行重量の10分の一から20分の一程度で良くなり、巡航速度の効率を上げる為に大きなピッチ(クルーズポジション)に変更して航続距離を延ばしています。
数年前まで販売されていた、エンジンのクランクシャフトに直接プロペラを取り付けているユニットは、浅いピッチで推力を出しています。プロペラの回転数がエンジンの回転数そのままの高回転なので、とても大きな騒音が出ますから、今はほとんど市販されていません。
近年のユニットは、ベルトやギヤでプロペラの回転数を半分以下に下げています。そうする事でプロペラに当たる空気抵抗を小さくなり、プロペラのピッチを大きくねじった設計にして大きな推力を発生し、プロペラの回転数が下がった事でとても静かになっているのです。
ユニットメーカーの技術者は、一つのエンジンユニットを完成させる為に、ダイヤとピッチの違うプロペラを10本以上も用意して、その日の気温や湿度を測定しながらキャブレターのニードルをその都度調整して何度も飛行し、ベストなプロペラを選び出すのだそうです。
2020/09/10
豆知識あれこれ
豆知識1以前メーカーに進められてスピンナーをプロペラに取り付けた事があります。推力計で計ってはいませんが、はっきりと分かるくらいの推力の違いを感じました。
プロペラ中心部に発生する乱気流に対して、スピンナーを取り付ける事によって整流され、高い推力が生まれるようです。
それから気温が低いと空気密度が上がるので夏と冬との気温差で推力がずいぶん違います。
燃焼室に吸入される空気密度が高いので、圧縮圧力が上がる事と、プロペラを通過する空気密度が高い空気の両方が作用するのです。
豆知識2
プロペラを取り付けずにエンジンを高回転させると、フライホイール効果が無くなるせいで、スパークプラグの起電力を作るコイル(エキサイタコイル)に、とても大きな起電力が発生して、エキサイタコイルを破損してしまう事がありますので気を付けてください。
豆知識3
零戦でもセスナ機でも、単発機はプロペラの取り付けている向きを少し下向きに取り付けているダウンスラストと、まっすぐ前より少し横向き(サイドスラスト)に取り付けて設計されています。
速度を増しても上昇しないように少し下向きに、そしてプロペラの回転を上げても反トルクで左に旋回しないように少し右に向けてエンジンとプロペラを取り付けているのです。
単発プロペラ機の推力線の向きは決してまっすぐに取り付けてはいないのです。
(エンジンの出力軸の回転方向は反時計回りが基本なのでプロペラが前にある単発飛行機は反トルクで左に旋回してしまいます。ヨーロッパ製の実機やTOP80などのユニットも最近はギヤリダクションでプロペラをまわしています。回転方向が反対方向です。
当たり前のことですが、ヘリコプターのテールローターは、メインローターの反トルクを止めるために回しています)
とても大きな推力と半トルクを持っていた零戦は、滑走路をまっすぐ発進することが難しく、垂直尾翼を少し斜めにして離陸の操縦していたようです。
モーターパラは、ライズアップをした後のスロットル全開操作で生まれるプロペラの回転と逆方向に働く反トルクで体が右に傾いてしまう事と、体を引き起こしたときに作用するジャイロインプレッションは、パイロットの走り出す方向に対して右(左)に向けようとするエネルギーが働くのです。とくに推力の大きいモーターパラグライダーユニットは、離陸後の飛行にも大きな影響を与えています。(ジャイロインプレッションは回転させた地球ゴマの回転軸を水平にしてどちらか片方をヒモで吊りあげると、地球ゴマの回転軸を水平にしたまま水平のままゆっくり回転運動をするエネルギーです)
推力の少ないユニットは、反トルクがほとんど感じないのでスムーズな離陸が出来ますが、風のほとんど無いときの離陸は、ある程度長く走って離陸します。
推力のあるユニットは重い事と、ライズアップの後のフルスロットルにしたときに、まっすぐ走るために右(左)足をかなりがんばって構える必要がありますが、推力が有れば、風が無い日でも強い推力に押されて離陸完了までの距離が少ないのは魅力です。
でも、僕は推力少なめの軽いユニットで一生懸命走って離陸するのも好きです。
2020/09/10
ベルトの張り調整について
「リダクションベルトは、30時間をめどに交換してください」と、取扱説明書に書かれているメーカーなどがあります。ベルトの張り調整は、とても微妙です、張りぐあいを測定する計測器が出てきていますが、それぞれのユニットで大きく数値が違うのと、販売メーカーに「このユニットは何㎏で調整するのですか」と、問い合わせても「製造メーカーから数値が出ていないので分からない」という答えがほとんどです。
アイドリングの時に、わずかに滑り音が出ていても大丈夫なユニットも有るのですが、目安としては、エンジン最高回転ですべり音が発生し始めたら張り調整が必要です。
でも、閉めすぎて、ベアリングやエンジンクランクに無理がかかり、破壊する事がよくあるのです。
わずかずつ締め上げて調整してください。
プロペラの回転とエンジン排気音の周波数は、倍数で同期しているのですが、ベルトが滑っている物は、飛行中に
ビート音が出て分かる事があります。(2つの重なる周波数の差から出る和音です)
こまめにベルトを取り替えて下さい。
ごく最近はベルトではなく歯車によるギヤリダクションも出てきています。こちらはメンテナンスフリーですが、
100時間をめどにメーカーにメンテナンスに出すのがよいでしょう。
2020/09/10
キャブレターについて
2ストロークエンジンに使用しているキャブレターは、2種類が使われています。一般的なガソリンタンクを高い位置に設計して、ガソリンタンクからの落差で流れ出るガソリンの量を浮き子で調整しているフロート式と、下に取り付けているガソリンタンクからガソリンを吸い上げるダイヤフラム型とが有ります。エンジンのクランク室で発生する気圧振動をパイプでキャブレターまで導いて、ダイヤフラムポンプを作動させるダイヤフラム式とが有り、モーターパラのユニットにはダイヤフラム型がが多く使われていますが、気温や湿度に大きく影響されるとてもデリケートな物です。理解して調整をしてください。
キャブレターにあるHニードルの調整は、プラグの焼けぐあいを確認しながら+-8分の1ずつ角度調整で行ってください。
エンジンのアイドリングが不安定なときは、キャブレターのLニードルを1/8回転の範囲で調整してみてください。
HニードルLニードル共に、一番絞った所から1と2分の1開いた所で基本設計がなされています。
一部のユニットですが、Hニードルを絞りすぎてエンジン温度が上がりすぎ、キャブレターのガソリンが沸騰(パーコレーション)してエンジンストールになる物があります。
Hニードルの調整は、調整の都度スロットル全開を1分ほど行い、プラグの焼けぐわいをなんども確認します。回転計でもおおむねわかりますが、エンジンヘッドの温度計も付けて確認するのが基本です。
Hニードルの絞りすぎに注意をしてください。
先日、愛用のチェコ製ユニットのHニードルを1/8回転絞ってから離陸したとき、エンジン全開の上昇中にエンジンヘッドの温度がデジタル温度計(エンジン回転数とエンジンヘッドの温度計が付いたバリオ高度計、ブロニガーIQ-MOTOR)が210度まで上がってきましたので、エンジンが焼き付いてしまう可能性がありますから上昇をを中止し着陸しました。
(以前、第一興商で販売していました水平対向エンジンは、風通しの良くない右側(前進方向で見て右側)のシリンダーが先に焼き付いてしまいますから、温度センサーは、右側に取り付けて下さい)
キャブレターの調整は、一般的には市販されている状態のまま使用していますが、微妙に調整している人のアドバイスをします。
冬は、気温が下がり空気密度が上がる為にHニードルを少し開けてガソリンの流量も多く調整します。(気温が低いと、エンジンの最高回転数が夏より200~300回転上がるのがふつうです。加えてプロペラに当たる空気密度も濃いので、真夏の推力より15パーセント前後増大します)
マイナス気温になる冬はガソリンに混じってしまったわずかな水分がシャーベット状に凍りエンジンストールを起こします。ガソリンを入れ替えるか、そのままアルコールを少し混ぜて使い切ります。
また、湿度が高く気温15度前後の日は、大気の水分がキャブレターの中で凍り付くアイシングが置きます。モーターユニットはそのキュブレターの構造からエンジンストールするほどではないようですが、アイドリングが不安定になったりスムーズな回転が得られなかったりしています。
尚、0度以下の気温では、アイシングは起きないとされています。
キャブレターからの混合気がクランク室に入る機構にピストンバルブと、リードバルブ方式があります。2ストロークエンジンの改良策として生まれたリードバルブエンジンは、始動がとても良いです。
最近出てきたユニットで、キャブレターにチョークが付いていない物があります。
マイナス10度くらいからエンジンの始動が悪くなります。手でインテークポートをふさいで始動してください。(冬はプラグの番数を一つ下げると始動性は良くなります)
イグニッション系とプラグについて
エンジンは、回転数が上がるとプラグの点火時期を早めて高回転でも良好な出力が出るように設計されています。
マグネット式イグニッションシステムは、エンジンの回転数が上がる事によってエキサイタコイルの起電力が増し、その事によってプラグのスパークタイミングが早くなり、進角装置と同じような役目を果たしています。
プラグは高温高圧縮の燃焼室で7000ボルトから25000ボルトの電圧でスパークするわけですが、たとえば以前、第一興商で出していたGTなどに使われていましたイグニッションコイルの出力電圧が高いユニットに使用されるプラグで、BR8ES-10のRは、電磁波ノイズ軽減用の抵抗が入っているという意味で、8は熱価の値、プラグが焼けすぎたり、余熱があるうちは掛かりにくいエンジンは、番数をひとつ上げ下げします。10は、プラグのギャップが少し広い1ミリになっている事を表します。
2020/09/10
整備に関する豆知識
回転マグネットと、エキサイタコイルの取り付けギャップ調整は、0.4ミリから0.5ミリの範囲で取り付けをします。一般的には、はがき1枚(0.4ミリ)か、プラグの紙箱(0.5ミリ)を挟んで取り付けをする事で、取り付け調整をしています。
尚、2ストロークエンジンのプラグは消耗品です。適度にプラグの焼けぐわいを点検し、交換するのをお勧めします。良好に使用していても、せいぜい20時間から30時間が交換時期だと思います。
あるメーカーの高回転エンジンは、10回以上フライトするとプラグ交換をする必要があるようです。原因は、プラグのスパークギャップがすこしずつ開いてしまうためにアイドリングが少し不安定になります。
プラグのスパークギャップをコツコツとたたいて直すだけでよいのですが、高価なプラグ(イリジュウムプラグ)などに取り替えるのも良いでしょう。
プラグの熱価については、メーカーが指定する番数で使用するのが基本ですが、そのユニットの使い方にもよります。
ヨーロッパ製のユニットは、パイロットの体重設定が大きくなっています。従って体重の軽いパイロットが最近の滑空性能の良いキャノピーで使用していると、低い回転数でフライトすることになり、プラグにカーボンが付きやすくなりますから、プラグの番数を一つ少なくする必要があるようです。
豆知識、
セルモーターがよく壊れるメーカーがあります。原因はケッチンによるものと思われます。
エンジンのプラグスパークは、エンジン出力を上げるためにピストンが上死点になる前にスパークするように設計されています。上死点のかなり前にスパークを設定している(設計ミスをしている)と、リコイルスターターを引いたときに、ガツンと引き戻されます。セルモーターでも回しきれずにクランクが逆回転になり、セルモーターを壊したりスターターギヤが噛んでしまったりしているのです。
同じソロエンジンを使っているメーカーでも、設計設定が良いメーカーは、問題が出ていないようです。
ケッチンが起きるもう一つの要素が有ります。
ヨーロッパではハイオクガソリンが主流ですから、その分点火時期が微妙に早く設定されている要素があります。ヨーロッパからの輸入エンジンには、ハイオクガソリンを使用して下さい。まず、ケッチンが穏やかになります。
(セルモーターが付いていなかった複葉機の時代のエンジンや、ラジコンの4サイクルエンジンの始動は、プロペラを逆回転に回し、ケッチンを利用して始動しています)
豆知識
以前実験をしたのですが、燃費UPをねらってプラグのギャップを1.5ミリまで広げてみました。すると、1センチ以上すき間があるプラグキャップからエンジンヘッドカバーにスパークしました。(燃焼室ではなくエンジンの外です)
理由は、燃焼室の高い空気圧の中では、1.5ミリでも放電しにくいのです。
よく考えてみて気がついたのですが、空気圧のない宇宙や真空管の中では、電子が勢いよく放電するのです。太陽からの電子も地球に届いて、オーロラが出るのです。
2020/09/10
エンジンのオーバーヒート
一般的に2ストローク(2サイクル)エンジンのガソリンとオイルとの混合比を濃くしておけばオーバーヒートしにくいと思われているようですが、その昔、50対1とかでもシリンダーの油膜切れが起きない高性能オイルがなかった時代のお話です。今となってはほとんど関係はありません。エンジンのオーバーヒート(焼き付き)は、シリンダーヘッドの温度が230度以上になって起こります。
エンジンが冷却されにくい設計のユニットで、気温が高い日にスロットル全開状態で上昇を続けたときや、タンデムフライトをして、フルパワーがずっと続く状態などでエンジンをオーバーヒートさせてしまうことは良くあるのです。
他にはフルパワーの状態から(エンジンヘッドの温度が高い状態から)エンジンを急に止めることはエンジンにとって良いことではありません。
オーバーヒートはキャブレターのHニードルを絞りすぎている事が大きな原因だったりもします。
それは、元々空冷の2ストロークエンジンはHニードルで燃焼効率が一番良い調整をすると、オーバーヒートするエンジンなので、しかたなくHニードルを燃焼効率がよい位置よりもガソリンを多く燃焼室に送り込む調整にして、吸入したガソリンで燃焼室を冷やす調整が必要なのです。
ですから、2ストロークエンジンをもっとも効率よく理論燃焼するためには、水冷エンジンで設計する以外に方法はないのです。
モーターパラとは関係のないオートバイのお話ですが、2ストロークエンジンバイクの宿命とも言われる焼き付き現象があります。上り坂でスピードが出なくてエンジンが冷却されずにオーバーヒートする事の他に、下り坂でスロットルを絞っているためにシリンダーにオイルが供給されず、ついにはシリンダーとピストンリングの間に油膜切れが起きて焼き付いてしまうのです。
後に、この事に気が付いた2ストロークメーカーはガソリンとオイルを分離して、エンジンの回転数に合わせてオイルをエンジンに供給するオートルーブやCCIシステムを開発しています。
そんな訳で、空冷の2ストロークエンジンは4サイクルエンジンに比べると、構造が単純な分だけバランス調整が難しいデリケートなエンジンなのです。
最近は、モーターパラ用に開発されたバリオメーターがあり、通常の昇降計と高度計のほかに、エンジン回転計と、エンジンヘッドの温度計が表示されるものが出ています。
エンジン調整をする上で、オーバーヒートでエンジンを壊してしまう事を防止するために、エンジンヘッドの温度計は必需品です。
余談として
2ストロークエンジンの自動車が以前はありましたが、排ガス規制に伴って規制されています。
最近の乗用車から見ると100倍も排ガスが汚れている2ストロークエンジンですが、軽量コンパクトで高出力を発生する良い部分もあって、小排気量の農業用その他のものが現在も作られている状態です。
他には、2ストロークエンジンの軽量コンパクトで高出力を発生する良い部分に加えて水冷式4バルブ大排気量ジーゼルエンジンで設計され、自衛隊の74式戦車や90式戦車等にに積まれ、高速性能を発揮する戦車に仕上がっています。
2020/09/10
整備に関する豆知識
航空機に使用されるボルト、スクリュー、およびナットの締め付けは、厳しい規格で決められており、絶対に緩まないための仕組みや、方法が講じられています。締め付けトルクは、ISOやJISで定められたロッキング・トルク表があり、たとえば9/16のボルトは、最小30.0 最大200in-lbと、なっています。
ちなみにゆるみ止めのナイロンナット(インサート非金属製、MS2144、MS2183使用温度250度以下、AN363を改定した規格。使用制限は5回)までとなっています。
航空整備に置いて各ボルトナットの締め直しの時に行うゆるみ止め防止用の通しピンをコッターピン。ステンレスワイヤーの巻き付けをセーフティーワイヤー(安全線)処理と言います。セーフティーワイヤーは、通し穴に合ったできるだけ太いワイヤーを使用し、ボルトナットが閉まる方向に結びます。
モーターパラのユニットで、一部のメーカーのプロペラ締め付けボルトは、プロペラが木製であることもその理由ですが、徐々に緩む傾向があります。その他の部分も含めて、セーフティーワイヤー処理をした方が良いと思われるユニットをよく見受けます。
その他、一般的に言われている6角穴のボルトは、インターナルレンチングボルト、六角棒のレンチのことをアーレンレンチと言います。
※ これらの技術的な資料は、アメリカ航空宇宙局発行の「AC43」の技術資料に基づいています。
2020/09/10
バッテリーのメモリー効果
ユニットに多く使われているセルモーターのためのニッカドバッテリーは、内部抵抗が非常に少なく数十アンペアの電流を出力する強力な物です。(ショートすると危険です)きちんと使用すれば300から1000回の充放電使用が出来ますと書いてありますが、毎回バッテリーのエネルギーを90から95パーセントまで使用してから充電をする事で、何度も安定して使用する事が出来るのです。
弱点として、バッテリーのエネルギーを使い切らない状態や完全放電してから充電を繰り返すとメモリー効果が発生して、わずかな使用期間の間に本来のエネルギー料を充放電する事が出来なくなり、寿命の短いバッテリーになります。
最近はその事を解決するリフレッシュ充電ができる充電器が出てきています。なかなか良いようです。
メモリー効果が少なく、エネルギー料の大きいニッケル水素二次電池が出てきていますが、
一度に大電流を出力する事にかけては、今のところニッカド電池にかないません。
価格が下がってきましたが、大きなエネルギーを持つリチュウムイオン二次電池や燃料電池が一般的に使われるのは、もう少し後になりそうです。
2020/09/10
ヘルメットと無線機について
ヘルメット選びは、イヤーマフがしっかり耳に密着していて、エンジン全開でも良好に無線が使える物を選んでください。パイロットがエンジン全開で離陸上昇するときに、インストラクターの指示が聞こえないのでは話になりません。それからバイザーをつけると、ライズアップの後にキャノピーを確認しにくいのでサングラス型のバイザーにして下さい。
有る有名メーカーのラリー用ヘルメットは、スピーカー出力が少し小さく、数百ミリワット出力の小型無線機の音量ではエンジン全開の時によく聞き取れませんでした。(日本製のスピーカーに取り替えたら大丈夫でした)
日本製の無線機、無線機本体の高さが10センチ以上あるスピカー出力が普通の無線機は大丈夫です。
ヘルメットの後頭部に小型無線機が取り付けられる物も出ていますが、キャノピーを見上げた時にアンテナがプロペラに巻き込む事があるようです。
ヘルメットは、インピーダンスと差し込みコネクターの規格が違うアイコム、スタンダード系とケンウッド系の二種類がありますから、無線機に合わせてセットしてください。
モーターパラ用にヘルメットを自作で作っても、なかなかエンジンノイズで聞こえない物しか作れませんので、市販されているモーターパラ用やラリー仕様などのヘルメットを使用してください。
離陸前に必ず無線機をチェックして、誤動作防止のロックボタンを入りにして下さい。
何度も言いますが、パイロットがエンジン全開で離陸上昇するときに、インストラクターの指示が聞こえないのでは話になりません。とても危険です。