サーマル雲の色
2018.08.16

よく見るとサーマル雲に色の違いがあることに気が付きます。

その雲が日陰になっているからではなく、まもなく消えてしまうサーマル雲なのです。空気中の目に見えない水蒸気が、上昇気流とともに気圧と温度がが低くなり、露天温度に達した結露が真っ白なサーマル雲(入道雲)となり「ここまで大きなサーマルが上がってきていますよー!」と、教えてくれています。それはサーマルの勢いがあるしばらくの間縦に成長し続け、時にはパラグライダーが飛行できないほどに成長します。

しかしやがて白く輝く水蒸気は次第に大きな水滴となり、灰色に見えてきて数分で消えてなくなります。サーマル雲のような小さな雲はそこから降り始める水滴が地上まで落ちてくる前に目に見えない水蒸気に気化してしまいますが、大きなの入道雲から落ちる雨粒は、気温が低くなった下降気流や勢いのあるダウンバーストとともに地上まで落ちてきます。

僕たちは、できたばかりの真っ白なサーマル雲まで上がってくる勢いのある上昇風(サーマル)を利用しているのです。

その雲の雲低高度がエマグラムによる露店(雲低高度)です。露店より温度が低くなると目に見えない空気中の水蒸気が目に見える水滴に変わり始める境界線です。エマグラムを見ると、その高度で一度気温が上昇しているのがわかります。

もう30年以上前、グライダーのセールプレーンで有名な「滝川スカイパーク」では、気温や湿度の変化を観測して、毎日計算式で雲低高度を割り出していました。ちなみに晴れている日であっても雲低高度が存在していて、サーマルの勢いがその高さで温度が上がるために、上昇する勢いが少し飽和されてしまいます。とくにルスツ地面の海抜がほぼ400mありますから、地表のサーマル源と上空のサーマル雲の高度差が小さいせいもあって、あのサーマル雲はおそらくあの畑から上がってきているサーマルだとわかりますから、比較的狙いやすいのです。

もう少し深読みをすると、勢いのあるサーマルが出ているすぐわきの林や沢地が有る程度の下降気流になっているはずだと判断してください。

晴れていて上空に冷たい寒気が入っている春先や秋には、朝方の気温が低く、日中の温度差が大きい日、ランディングとテイクオフの温度差が大きい日は、上昇気流と下降気流が活発に上下しています。

サーマル雲の色を観察しています。

ほかのページにも書いていますが、できたばかりの真っ白なサーマル雲は勢いのある上昇風が上がってきています。でも、灰色になっているサーマル雲は、上昇風も終息していてすぐに消えてしまいます。






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