前線通過でクロカン
2018.08.15
前線に伴って南風の暖気と北風の寒気とがぶつかる所では、激しく積雲が出来たりして、飛行には危険なことが多いのですが、穏やかな前線通過は心地よい上昇風帯エリアになるのです。
橇負山ではこれまで何度となくその風に乗って上昇するパイロットを見ていますし、そのまま洞爺湖方向にずっと飛んで行ったパイロットが居ます。
その時の条件は、飛行中に風の向きがおおむね120度から180度変わるときにその現象が発生します。
たとえば、その日の橇負山の風の向きが南風から北風に変わる天気予報の日に、南風でソアリングをしていて急に北風になった時、北風の冷たい寒気が南風の暖かい大気の下に、クサビ形に刺さるように入ってきます。
飛行していたパイロットは、たいがい何が起きているのか分らず、どこをどう飛んでもいい感じで上昇し始めますからあわてます。
僕からの「風が北風に変わったので、上昇しているんだよっ」と無線で説明しても、理解してもらえないことがほとんどです。
洞爺湖まで飛んで行った斉藤君は、南風でソアリングを楽しんだ後、クラブハウス方向に飛んできて100m位まで下がってきてから、風が北風に変わってだんだん上昇していき、その前線による上昇風を利用して難なく洞爺湖まで飛行し、それでも十分な高さが有り、飛行していました。(その時なぜか「洞爺湖に着水可能です」と、無線が入りました)
噴火湾に近づくと、海風が強く入ってきていてそれ以上は行けません。
理論的には北風の中で飛んでいて、南風が押し寄せてきても、押し寄せる南風は冷たい寒気が地面からクサビ形になっているせいで、仕方なく暖気が斜面上昇風と同じようにかなりの高さまで吹き上がるのです。
以前のパラワールドに茨城で飛行中に南からの前線通過に乗って、前線帯にとどまるように急がずに遅れずに暖気の上昇風に乗ったまま北上して、帰りは仙台近くの駅から新幹線で帰って来た記事が有りました。
橇負山では、南風が日中に北風に変わる日が狙い目です。
前線帯から外れると沈下してしまうので、前後にサーチしながら飛行するのですが、押し寄せる前線よりも先の方に行くと徐々に上昇しなくなります。
後ずさりしすぎると、寒気の中に入ってしまい、普通の沈下速度帯に入り込んでしまい、暖気の上昇帯に戻りにくいです。
クサビ形の寒気と、上昇帯の暖気をイメージして、バリオメーターの音色で判断してください。
前線通過に伴うもう一つの飛行方法は、前線が天気図通り帯状に伸びている方向に高速で飛行します。低速で飛んでも良いのですが、クロスカントリー距離を伸ばすために高速で飛ぶのです。
前線方向に暖気の上昇帯をジグザグにサーチしながら飛行する事で、驚くほど簡単に距離を伸ばすことが出来ます。南東の風であれば簡単にニセコを超えてしまいます。
雲が発生していない前線の通過は、グライダーにとってまたとないコンディションなのです。繰り返しますが、橇負山では、南風が日中に北風に変わる日が狙い目です。
北風の日に南風が吹いてきたタイミングでも尻別岳方向に飛んでいけば前線に乗ることが出来るのですが、今までは元気よく京極方向に飛んで行ったパイロットは居ませんです。
たぶん、赤井川を超えて余市まで飛んで行けると思いますが、午後になると赤井川あたりまで海風が入って来ていて、さらに上昇し始めるかもしれませんが、北へは進めなくなって着陸です。
倶知安方向は、羊蹄山が独立峰ですから後ろに出来る強力な収束流に警戒です。風の強さにもよりますが、羊蹄山から5㎞以上は離れて飛行経路を取ってください。
橇負山で羊蹄山から風が来ている日は風が少し不安定ですが、8㎞離れているのでキャノピーが潰れたりはしないのです。
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