ウィンドシアで上昇
2018.08.15
ウインドシアとは、ダウンバーストを含む風の乱れの風ですが、一般的な西風の本流と、日本海から入り込む東の海風がぶつかる安定した上昇気流は、日本海側の山や海辺で日常的に発生しています。
ルスツでは本流が北風の時に噴火湾から風が入って尻別岳の上で積乱雲になっている事が有ります。
日本海側の海辺近くでは、たとえはモーターパラエリアで「エンジンを止めても上昇しているんだけど、どうしたらいいですか」と無線が入ることが有ります。
そんな日は、海岸線に沿って小さな積雲がずっと続いていたりもします。
浦幌町の十勝太エリアや石狩望来エリアでも、どちらも高度差50~80m程度の海辺のがけなのですが、その風に乗って300m以上も上昇する日が有るのです。
その上昇する風は、海辺と平行に上昇帯になっているのですが、ある程度の高さから上昇風は海方向に流れ出ていますから、そのままのんびり飛行していると岸に戻れなくなるほど海に出てしまいます。
海風のウインドシアを楽しんだ後は、内陸に飛行して上昇気流から回避し、高度処理をしてください。
海風が内陸まで入って来くる茨城のエリアでは、その風に乗って3000mも上昇する事があります。
西風と東風がぶつかって上昇する気流は、横方向にずっと続いていますから、どこまでも何時間も飛ぶことが出来ます。
たとえば十勝太ではその風に乗って白糠まで行けると思っています。
僕は、樽前山もその風に乗ることが出来るし、樽前山の地熱も手伝って3000mを超えて上昇することが出来る山だと思っていて、25年前に仲間と歩いて登って苫小牧方向に飛んでみたことが有ります。1機だけですが、びっくりするほどすれすれに千歳空港に着陸する戦闘機が降下していきました。
そして、20年ほど前にモーターパラの会が集まって千歳空港管制塔の会議室での管制官から「風不死岳から樽前山は戦闘機が目印にして降下してきて、ローパスする山なので、飛ばないでください」と、念押しで言われています。
海風が程よく入る形の良い山は沢山あるのですが、ルスツのような条件の整った山はなかなかありません。
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